ウェーディングレスキュー湘南'05
レポート by 金子隆之(スキアシ東京)

9月23日、毎年恒例のイベントになりつつあるウェーディングレスキューへ参加してきました。


台風17号が接近しつつある中の開催との事でどうなる事かと思いきや、当日は奇跡的に絶好のプール日和となった。

毎年話が多く聞かれる様になってきたエイによる事故。棘の形状は切り裂くように刺さり、しかもバーブつきで抜けにくい厄介な形状。

ためしにネオプレンのウェーダーに刺してみたが驚くほどあっさりと貫通。

ブーツ部についても同様。

その後いよいよ入水。思い思いの装備で各自体験。





腰用のインフレータブルのテスト。着用方法を知らせずに使用したところ取り付けが“後ろ前”に。U字型のフローターのようになるのが正解。既に持っている人は念のため確認を。

FF平田さん。ウェーダー+インフレータブルで落水した場合のテスト。両手が開いていても、ウェーダーに空気が溜り思うように移動できない。浮くという意味では十分な浮力だが、その後自分がどうすれば助かるかを考える必要が有る。携帯の防水パックなんかもその手段の一つかもしれない。

ウェーディングの場合を一通り体験した後、船の場合はという事で・・・。乗合船などでよく見かけるライフジャケット。最初から着用していれば浮力としては役立つレベルだけど・・・。

船から落水者に投げ渡された場合。投げる人は、ジャケットのファスナーを閉めた状態の方が投げやすいし遠くに飛ばせる。落ちた人は、無理に着用しようとするとパニックになる。つかまっているだけでも何とか浮いていられるので覚えておこう。

陸に上がって一休みした後は緊急蘇生法の講習。講師は毎年お世話になっている佐竹さん。事故現場に直面した場合、1人で何とかしようとしないで、まずは助けを呼ぶ事。昨年聞いた事覚えてますか?

追加の豆講習。釣り人ならではの危険回避。キャストしている仲間に近づく場合、どの距離が危険かを考えよう。ロッドの円運動と垂らしの長さでその距離・位置は変わってくる。仲間を釣らない、釣られない為に。

エイに足を刺された体験談を語る仲田さん。刺された直後からのめまい・吐き気・激痛など生々しい話。全治1ヶ月・治療費十数万円だったらしい。
エイガードというと高い・安いという話がとかく出やすいが、アングラーとしては安くて良い物に越した事はない。ライフジャケットもメディアで騒がれてから数年たってようやくここまで良い物が揃ってきた事を考えると、まだまだ時間が掛かるのかも知れない。

刺された場合に幸いにも仲間が居てロープになるような物があった場合、このようにロープをまわしてオンブすると両手が開く。胸の前の部分で2回ほどロープを撚るのがポイント。

3連休の初日という事もあり道路は何処も大渋滞。参加者の到着が大幅に遅れた為、開催時刻を遅らせたにも関わらず参加者の数は伸び悩んだ。

一見地味なイベントではあるが、参加者にとっては有益な体験がここにはある。来年からは開催地を聖地富津へ移動し開催の予定との事。事故の話も多く聞かれるエリアだけに、より多くのアングラーに参加をして欲しいと思う。